🏷️ 連載:ハレとケ暮らし 第2回
ハレの日(特別)が多すぎると、ケの日(日常)が追いつきません。
現代の私たちの食卓やライフスタイルは “毎日がハレの日”になりがち。結果として、心と体が助けを求めていることがあるのです。
1. ハレが日常化した、現代の食卓
惣菜・テイクアウト市場は右肩上がり
2024年の国内惣菜市場は 11.2 兆円。3年連続で過去最高を更新し、うち約3割をコンビニが占めます。食品新聞 WEB版(食品新聞社)24 時間“ごちそう”が買える
現代は、揚げ物やお肉、スイーツ、アルコールなど、「高カロリー・高脂質・高糖質」な食品がいつでも簡単に手に入ります。これらはどれも、元々はハレの日に特別に食べられていたごちそうです。戦前には想像できなかった“ハレが日常化した食卓”が、毎食少しずつ体に負担をかけています。
2. 栄養バランスが崩れがち
データ | 何が起きている? |
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日本の子どもと青少年で 超加工食品(UPF) の摂取比率が増加 | 食事の質スコアが有意に低下し、食物繊維やミネラルが不足気味に。ScienceDailyPubMed |
超加工食品は、油・糖・塩が高めで食べやすい=ハレのごちそう感を日常化させやすいのが特徴です。
しかし、これらの食品は、魚・野菜・きのこ・海藻・発酵調味料の摂取が減り、肉・小麦・砂糖などの摂取が増えます。
結果として、糖質や脂質の摂取量が増え、食物繊維やビタミン・ミネラルの摂取が少なくなりがちです。
3. 消化器と代謝へのオーバーワーク
血糖値スパイクと肥満・糖尿病リスク上昇
超加工食品の摂取が 10 % 増えるごとに、2 型糖尿病リスクが 12 % 上がるというメタ解析も。Wikipedia胃腸の“リセット時間”が不足
夜遅い持間に食べる高脂質メニューは、睡眠中の消化吸収に負荷をかけて翌朝の疲労感を招きます。
4. メンタルヘルスも“ハレ疲れ”
SNSで映える料理写真を撮ったり・見たりするのは楽しい一方で、「映え疲れ」を感じている人は70%以上もいます。10〜20代女性では55 % が“もう映えは要らない”と回答しています。プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES
刺激的なビジュアルと過剰情報は交感神経を優位にして、慢性的なストレスや睡眠質の低下を招きやすいと言われます。
5. 季節感とコミュニティの希薄化
柳田國男が描いた遠野の暮らしでは、田植え ⇒ 小正月 ⇒ 草取り ⇒ 盆踊り… とハレとケが交互に登場しました。祭りは地域全体で「区切り」を祝い、次の仕事へ向かう心の充電装置。
ところが現代は、オンラインで完結する娯楽・買い物が増え、ハレが個人消費化。共同体で味わう節目が減り、“メリハリの薄い毎日” になりがちです。
6. “ケ” を取り戻す3つのヒント
やること | ねらい |
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① 週1回「ケのごはんの日」 具だくさん味噌汁+ご飯で一汁一菜 | 内臓を休め、お味噌汁にたっぷりと、野菜・きのこ・海藻類をいれましょう。 食物繊維・ビタミンミネラルがたっぷり。発酵パワーで腸を整えます。 |
② SNS オフタイムを作る 食事中はスマホをテーブルの外へ | 情報の波を意識的に減らす時間を大切に。 「ながら」食事は一見効率が良さそうですが、幸せな時間を減らしている可能性があります。 食材の味をじっくりと味わったり、家族や友人との会話を楽しみましょう。 |
③ 小さな季節行事を生活に足す 例:月1回 “旬を味わう会” | ハレの楽しさを「イベント」として再定義。 季節の食材を味わったり、日本の伝統文化や行事を大切にしましょう。 |
7. 次回予告
第3回:『ハレとケ暮らし』が生まれるまで―名前に込めた3つの想い
創業者の原体験とネーミング秘話をお届けします。
Brand Message
「ハレとケ暮らし」は、“特別な日” と “日常” のバランスを大切にしてきた、日本人本来の知恵を、現代のライフスタイルに合わせて再起動するプロジェクトです。ケの日を意識的に大切にすることで、ハレの日はもっと輝く——その土台づくりを、私たちの商品と情報発信でサポートします。
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