骨からしみ出す“だし”が、からだを内側から整える。
海外セレブやアスリートの間で話題の 「ボーンブロススープ」。
骨と香味野菜をじっくり煮込むだけの素朴なレシピですが、最新の研究でも胃腸保護・美肌・関節ケア・免疫サポートなど多面的なメリットが報告されています。PubMedPMC
1. ボーンブロススープとは?
原料:牛骨・鶏ガラ・豚骨など+香味野菜
調理:弱火で 3〜24 時間長時間煮込み、骨のコラーゲン・ミネラル・アミノ酸を抽出
特徴:ゼラチン質でコク深い味わい/冷やすとプルンと固まる
2. 科学が注目する5つの健康・美容効果
❶ 胃腸バリアを守る
ゼラチン由来のグリシン・グルタミンは腸上皮細胞のエネルギー源となり、バリア機能を強化。PubMedPubMed
❷ 肌・髪・爪のコラーゲンサポート
コラーゲンの主要アミノ酸 グリシン・プロリン・ヒドロキシプロリンが豊富。PubMed
加齢で減少するコラーゲン産生をアミノ酸供給でバックアップします。
❸ 関節と骨をいたわる
骨・軟骨に必要な グルコサミン/コンドロイチン(GAG) が含まれ、炎症性酵素 COX-2 を抑制した研究も。PMC
❹ 免疫・抗炎症サポート
骨由来ペプチドが炎症関連遺伝子を抑制し、腸炎モデルで組織損傷を軽減。PMCPMC
❺ ミネラルの自然補給
100 mL でカルシウム 20 mg 前後、マグネシウム・亜鉛も含有との報告。ResearchGate
塩分を控えつつミネラルを摂れるのが魅力です。
3. 基本の作り方(鶏ガラ例)
下処理:骨を流水で洗い、沸騰湯で 10 分下ゆでしてアクと血抜き
材料を鍋へ:骨 1 kg+水 3 L+酢 大さじ1+玉ねぎ・人参・セロリ適量
煮込む:弱火で 4 時間(牛骨なら 8–24 時間)、途中でアクを除く
濾す:ザル+ガーゼで澄んだスープに
保存:粗熱を取り冷蔵 3 日/冷凍 1–2 か月。製氷皿で小分けすると便利
4. ハレとケ暮らし的・アレンジアイデア
シーン | 使い方 | ひとこと |
---|---|---|
朝の“整う”一杯 | 温めて塩・胡椒+レモン搾り | 空腹時に胃腸をやさしく起こす |
味噌汁の出汁替わり | だし半量をボーンブロスに | 旨味とたんぱく質をプラス |
リゾット/雑炊 | 炊飯時の水を 1/3 置換 | コク深い主食で満足感↑ |
時短シチュー | 冷凍キューブ+野菜+豆乳 | 10 分で濃厚ポタージュ |
5. 作るときの注意点
骨選び:抗生物質・ホルモン不使用表示のオーガニック骨が望ましい
安全調理:長時間煮る場合はスロークッカーか IH で火元管理
塩分は最後に:煮込み中は無塩で。仕上げに少量ずつ調整
脂肪の扱い:冷蔵で上面に固まる脂を取り除くとスッキリした味に
6. まとめ
ボーンブロス=骨のだし。長時間煮込みでコラーゲン・ミネラルを抽出
胃腸・肌・関節・免疫 を総合サポートする“滋養の一杯”
作り置きして スープ・味噌汁・リゾット へ展開すれば時短と栄養を両立
次回は、ボーンブロスを使った 15 分レシピ と 忙しい日に助かるストック術 をご紹介予定です。どうぞお楽しみに!
参考文献
Bone Broth Review: gut barrier & amino acid profile (2024).PubMed
Anti-inflammatory capacity of bone broth in大腸炎モデル (2021).PMC
Gelatin peptides regulate chronic disease pathways (2022).PMC
Micronutrient content of beef/horse bone broth (2018).ResearchGate
Glucosamine & chondroitin suppress COX-2 in cartilage (2011).PMC
Collagen amino acid composition &機能 (2017).PubMed
Glutamine and intestinal barrier integrity (1998).PubMed
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