【ハレとケ暮らし】5月──初夏の兆しと「端午の節句」に込められた願い
新緑がまぶしく、爽やかな風が吹き抜ける5月。日本の伝統的な暦でいえば、春から夏へと移り変わるこの季節は、まさに「ハレとケ」が交差する時期です。
「ハレ」と「ケ」とは?
「ハレ」は、特別な日・非日常を意味し、祭りや年中行事、人生の節目などを指します。一方で「ケ」は、日々の暮らし、すなわち日常そのもの。日本人はこの2つをバランスよく織り交ぜながら、自然や季節と共に生きてきました。
5月の「ハレ」──端午の節句
5月5日は「端午の節句」。現代では「こどもの日」として知られていますが、古くは男児の健やかな成長と厄除けを願う大切な行事でした。菖蒲湯に入ったり、柏餅を食べたりするのも、邪気を払い、生命力を取り入れる「ハレ」の営みです。
今でも鯉のぼりを揚げたり、五月人形を飾るご家庭も多いかもしれません。子どもたちにとってはうれしいイベント、大人にとっては日本文化を感じ直す良い機会ですね。
「ケ」の暮らしを整える
「ハレ」の日をより心豊かに迎えるためには、日々の「ケ」の暮らしを丁寧に積み重ねることが大切です。5月は気温も安定し、体を動かしやすい時期。庭仕事や散歩、旬の食材を使った料理など、自然のリズムに身をゆだねるのに最適な季節です。
例えば、たけのこ、そら豆、新じゃがといった旬の食材を食卓に取り入れることで、体の内側から季節を感じることができます。また、衣替えの季節でもあるので、身の回りを整える良いタイミング。風通しの良い空間づくりは、心の「ケア」にもつながります。
まとめ
5月は「ハレ」と「ケ」のメリハリが自然と意識できる季節。年中行事を大切にしながら、日々の暮らしにも小さな喜びを見出していく──そんな日本古来の美意識を、私たちの生活にも取り入れてみてはいかがでしょうか。
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