◆ 梅雨とは「ケの時間」
6月、雨の日が続く梅雨は、どんよりとした空模様や湿気の多さから、気分まで落ち込みがち。でも実は、梅雨は日本の伝統的な暮らしの中で「ケ=日常」の充電期間とされてきました。
ハレ(非日常)とケ(日常)を意識することで、私たちは日々の暮らしにリズムと意味を持たせてきたのです。梅雨の期間は、「内にこもる」「整える」「備える」そんな“ケの時間”としてとても大切な季節です。
◆ 梅雨の過ごし方|ハレとケの視点で整える暮らし
1. 体と心の「湿」を流す食事
梅雨は「湿邪(しつじゃ)」という東洋医学の概念でも知られるように、体内に湿気がたまりやすい時期です。消化を助ける食材や、温かいスープ、味噌汁などが活躍します。
おすすめ食材:
- 生姜、ネギ、味噌、豆類
- 雑穀ごはん
- 梅干しや柑橘類(気の巡りを整える)
内側からケアすることで、心も軽やかに。
2. 衣類と住まいの「湿気対策」
湿気がこもると、家の中も気持ちも沈みがちに。風通しの良い環境をつくり、晴れた日にはふとん干しや換気を。
暮らしのヒント:
- 除湿剤や炭、和紙の利用
- 着るものも天然素材(麻や綿)を選んでさらりと
日々の選択が、心の湿気も軽くしてくれます。
3. 「静」と「整」の時間を楽しむ
雨音をBGMに読書や手仕事、ぬか床の手入れやお香を焚く時間は、まさに“ケの豊かさ”を感じられる瞬間です。
おすすめの過ごし方:
- 手帳や日記をつける
- お茶をゆっくり淹れる
- 香りや音を味わうマインドフルな時間
◆ 梅雨明けを迎える準備|ハレの日を迎えるために
梅雨が明ければ、夏の「ハレ」の季節がやってきます。6月のケの時間を丁寧に過ごすことで、心と体が整い、次の季節を迎える準備ができます。
ハレとケのリズムを意識することで、季節の移ろいがもっとやさしく、もっと愛おしく感じられるはずです。
◆ まとめ|梅雨は「自分と向き合う贅沢な時間」
梅雨は、うつむきがちな季節ではなく、自分の内側と向き合い、静かに整える絶好のタイミング。「ハレとケ」の知恵を活かして、毎日を少しずつ、心地よくしていきましょう。
湿った空気も、心の余白に。
雨の音は、暮らしのリズムを整える音楽です。
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